放課後、担任から受けた公開処刑。
男子に押さえつけられて
下着を下ろされて性器を丸出しに。

ここでお話しするのは小学校低学年のときに担任の教師から受けていた、いじめについての話です。
今だったら犯罪として扱ってもらえたかも知れないですけど、当時は泣き寝入りでした。
小学校に入るまでのわたしはいつでもニコニコしているすごく明るい子どもだったんですけど、小学校に入って毎日恐怖におびえて過ごすようになって、顔も性格も変わってしまったように思います。
担任の教師からのいじめは小学校に入るとすぐ始まって、クラス替えのある3年生の終わりまでつづきました。
いじめの理由がいくつかあったっていうことはずっとあとになって、わたしが大きくなってから母が話してくれました。
でもそのことを考え始めるとあまりにも悔しくてもう取り返しのつかないことが悲しくて泣きそうになってしまうので、この場ではいじめの理由について触れることはやめておきます。いつか機会があったらお話しします。
わたしの通っていた小学校では、1日に2回の着替えの時間がありました。
これは学校の規則で毎朝登校したらすぐに白い体操着の上下に着替えて、一日の授業をその体操着で受けることになっていました。
そして放課後、下校の前に今度は私服に着替えます。
それは今だったらちょっと考えられないことなのかも知れないんですけど、わたしたちの頃は、女の子は胸が大きくなる6年生になっても、ずっと男子と同じ教室でいっしょに着替えていました。
朝の着替えは登校した順にバラバラですけど、下校前の着替えはクラス全員がいっしょに着替えます。
着替え中の教室には子どもだけではなくて担任も必ずいました。
夏の水泳のときの水着の着替えもいっしょでした。
プールに更衣室があったのに、なぜだか教室で男女いっしょに着替えさせられていました。
もちろんバスタオルで隠して着替えていましたけど、でも苦しいっていうか、痛みを感じるくらい恥ずかしかったです。
5年生、6年生くらいになると生理が始まったり胸が大きくなって来たりするので、人に見られるっていうことがほんとうに恥ずかしいんですよね。
同級生だけでも恥ずかしいんですけど、教室には必ず担任がいて……。
子どもたちは全員教室の前を向いて着替えているので、お互いに視線が合うっていうことはあまり無いんです。
っていうか、むしろ、みんな恥ずかしい気持ちがあって、お互いを見ないように気遣っていたような気もします。
でも担任だけは授業中と同じように子どもたちの方を向いて立っていて、着替えている子どもたちの方をじーっと見ているんです。
それがイヤでたまらなくて、小学校を卒業するまでずっと着替えの時間が憂鬱でした。
そういう状況だったんですけど、わたしはその着替えの最中に、担任の教師から何度も何度も恥ずかしい体罰を受けていました。
放課後の着替えのとき、40人クラスのわたし以外のクラスメイト39人の前で裸にされるんです。
担任は男性でした。年齢は……たぶん、40代だったんじゃないかと思います。
放課後、みんなで一斉に着替え始めると、担任はじーっとその様子を監視しています。
入学して間もないある日、放課後の着替えで、わたしが私服のブラウスのボタンを留め始めたとき、突然、何人かの男の子たちがサーッと集まって来ました。
5人か、もっと多かったのか、よくわかりません。
わたしは手足をつかまえられて、あっという間に床に押し倒されました。
両手は真横に開かされて、足はバレリーナみたいに2本の足が直線になるくらい大きく開かされました。
まるで床に磔にされたみたいでした。
わたしの合計4本の手足を1人が1本ずつ抑えて、それ以外に馬乗りになっている子もいました。
わたしの両脚は黒板の方に向かって開かれていて、そのまましばらく動けませんでした。
馬乗りになっていた子の向うから、担任がこちらを見ているのが見えました。
担任は黙って見ていて、わたしを助けてくれませんでした。
しばらくすると担任がこちらに近づいて来て、
「もういい」
とだけ言いました。
わたしはてっきり担任が男の子たちを叱ってくれると思っていたので、納得がいきませんでした。
でも担任が叱らないのに男の子たちは誰一人逆らうこともなく、すぐに引き上げていったのでホッとした反面、なんだか不思議でした。
わたしがやっと起き上がると、クラスメイトたちはもう全員、着替えが終わって着席していました。
みんなが着席している教室で、わたしだけ立ったままブラウスのボタンを留めたり、スカートのファスナーを閉じたりしていました。
そしたら、担任が、
「ななの! 着替えが遅い」
と、わたしが叱られました。わたしは思わず、
「え、でも、さっき……」
と言いかけたんですけど、
「教師に向かって口答えは許さない」
と厳しい口調で言われて、それ以上、何も言い返すことはできませんでした。
最初の日は、これで終わりました。
でもこの最初の日は、わたしはまだ、それが担任の合図で起こった出来事だったということに気づいていなかったし、その日だけの男子の悪ふざけだったんだろうと思っていました。
そして次の日、給食の片付けで教室がざわざわしている時に、担任がわたしのところへ来て、
「ななの、今日は何を着て着た?」
と唐突に訊かれました。
わたしが天井を見ながら今日家から着て来たの服装を思い出していると、担任は、
「ま、なんでもいい。覚悟はできてるな」
とか言って、わたしの肩をポンと叩いて立ち去りました。
結局わたしは返す言葉が出ないままだったんですけど、このときは返事をしなかったことを咎められることはありませんでした。
そして放課後の着替えの時間になりました。
いつものように担任は、じーっと着替えの様子を監視しています。
それで、何人かの男の子たちが着替え終わると、そのタイミングで、男の子たちに、
「行け!」
と合図したんです。それは、わたしに襲いかかるようにという、命令だったんです。
わたしはまた、あっという間にとらえられて、床に押し倒されました。
男の子たちは1人ずつ、わたしの右手、左手、右足、左足を、それぞれしっかりと痛いくらいに床に押しつけて、1人がわたしのお腹に馬乗りになって来ました。
両脚は、前日と同じように、バレリーナみたいに、2本の足が直線になるくらいに大きく開かれていました。
わたしの服装はだいたいいつもフリルのついた可愛いブラウスと、プリーツスカートだったんですけど、もうすぐ着替えが終わるっていうときに襲いかかられて、ブラウスのボタンはまだぜんぶ留め終わっていませんでした。
すると馬乗りになった子が、ブラウスのボタンに手をかけました。
わたしは本当にびっくりして抵抗しようとしたんですけど、両手両脚を拘束されているので何もできない、無抵抗なんです。
ついにブラウスのボタンがぜんぶ外されると、ほかの男の子たちが協力して一時的にわたしの上半身を起こして、わたしはブラウスを脱がされてしまいました。
ブラウスを脱がせると、もう一度わたしを、床に押し倒しました。
わたしの上半身は、当時の女の子が身だしなみとして身につけていたシミーズ1枚です。
わたしは恥ずかしくて胸の辺りを隠したくて、なんとか手を動かそうともがきました。
でもわたしが暴れると、脇の下や脇腹をくすぐられるんです。
そうすると嫌なのに、嫌でたまらないのに、笑い声が出てしまって、そのことがものすごく不本意でした。
くすぐられて笑い声を上げているとき、ふと見上げると大勢のクラスメイトたちが、周りにたって、わたしの顔を覗き込んでいました。
でも誰も助けようとしていなくて、みんながわたしを嘲るように笑って見ていました。
わたしのスカートのチャックは、背中の下にありました。
でもまだ留める前だったので、男の子の1人がウエスト部分に手をかけて引っ張ると、スカートは簡単に剥ぎ取られてしまいました。
小学生とはいえ男の子の力は強く、しかも相手は5人か6人か……。
そういう人数でわたし1人に襲いかかってきているので、かなうはずがありません。
抵抗して暴れた疲れとくすぐられた疲れで、自然に身体中がぐったりとして動けなくなっていきます。すると、そのとき誰かの手がわたしのショーツのゴムに掛かるのを感じました。
まさかとおもいました。
でもその手は、ショーツを下に引っぱり始めたんです。わたしは、
「いやぁーっ! やめてぇーっ!」
って、最後の力を振り絞って叫びながら暴れました。
でも、抵抗した甲斐なく、ショーツは抜き取られました。
仰向けに倒された床から見上げると、覗きこんで野次を飛ばして笑っているたくさんのクラスメイトの顔が見えました。
みんなの晒し者になっていることがわかりました。
(どうしてわたしだけ、みんなとちがうの)
と思って、悲しくなりました。
ふと視線の方向を変えると、わたしのお腹に馬乗りになった男の子の背後に担任がいました。
担任はわたしの顔を見ていませんでした。
もっと下の方……わたしのバレリーナみたいに大きく開いた足の間を見ているのがわかりました。
自分でさえ、まだ見たことの無い場所なのに、見られていて自分の力で足を閉じることもできなくて……。
わたしはあのとき、「なにかを超越した」っていうか、なんていうか、「苦しいものを苦しいと思わない」みたいな、うまく言えないんですけど、身体の中に、ものすごい、何か、変換っていうか、科学変化が起きたみたいな、そんな感覚がありました。
たぶん自分を守るための「自己防衛反応」みたいなもので、「痛くもない」「苦しくもない」「なんでもない」って、そんなふうに自分に言い聞かせていたというふうに思います。
担任はしばらくのあいだ、じーっと、わたしの股間のあたりを見ていました。
そしてしばらくすると最初の日と同じように、
「もういい」
とだけボソッと言います。
それで、わたしを押さえつけていた男の子たちは全員が素直に退散します。
でも、わたしにとってはそれが終わりではないです。
ほかのみんなはもう着替えが終わって席について座っているのに、わたし一人だけがまだ着替えが終わっていないどころか裸なんです。
当番が起立して、
「これから帰りの会をはじめます」
と号令をかけて、ほかのみんなが私服に着替え終わって着席して帰りの会が始まっている教室で、わたしだけは裸で、床に散らばったショーツやブラウスやスカートを拾い集めているんです。
でも、そんなわたしを見て担任は、
「ななの! 着替えが遅いっ!」
って、大声でわたしを叱りつけました。
次の日も、その次の日も……こんなことが毎日のように、3年生の終わりまでつづきました。
あの頃は、男性の性欲なんていうことについて知識がないので、なんで自分がそんな目に遭わされるのか何も理解できなかったんですけど、でも何度も思い出して最近になってやっと気がついたことは、その担任教師は、子どもに対していやらしい目を持っていたんじゃないかということです。
なんどかんがえても恥ずかしくて……あまりにも恥ずかしくて、それに、悔しいです。
あの頃って、アソコにまだ、毛の生えてないときだったけど、なんで幼い、そんなところを見たがる人がいるんだろうって、なんだかよくわかりません。たぶん、ロリコン……だったんですね。それか、男の人って、みんなそうなんでしょうか。
自分でも見たことの無い、幼い性器を、……っていうか、「性器」なんていう知識も無かったので、「オシッコが出てくる場所」としか思ってなかったですけど、それでも、子どもながらに絶対に誰にも見られたくなかった、まだ毛の生えていない幼い性器を、担任にじーっと、食い入るような目で見られて、わたしは床に押し倒されたまま、その恥ずかしさに耐えている、その顔を、手で覆い隠すこともできずに、同級生たちに見られて、もう、わけがわからない、何重にもはずかしくて、そのまま消えてしまいたかったです。
でもわたしは、泣いたことはありません。
実際、泣きたいとか、怒りたいと思ったことは、ただの一度もありませんでした。
これはもしかすると、同じ体験をした人でないとわかってもらえないのかも知れないんですけど。
ほかのみんなが着席して帰りの会が始まっているその教室で、自分1人だけが全裸で、床に散らばった服を拾い集めている……そんなときって泣きたいとか、怒りたいっていうのとはぜんぜん違うんです。
もうあまりの恥ずかしさに、まぶたを開いていてもいったいどこを見ていたらいいのかわからないし、自分の顔を、その……、どんな表情をつくったらいいのか……それが、わからないんです。
わからなくて、まぶたに力をいれて目を大きく開いてみたり、唇を噛んでみたり。
いろいろ試すんですけど、でも何をやっても、その場にふさわしい自分の顔の表情がわからなくて苦しいんです。
家に帰ってそのことを両親に話すとき、全身が信じられないほど大きくガタガタ大きく震え始めて、最初、それが自分に何が起きたのかわからなくてビックリしました。
それから毎日、この話を家に帰って話すたびに、必ず身体が震 え始めてどうしても止めることができませんでした。
担任からはいつも、わたしの着替えが遅いって咎められました。
だから、何も状況が良くなることはなかったです。
「恥ずかしいのがいやなら、早く着替えなくてはダメなんだぞ」
とか言われたこともありました。
でもわたしには口答えする力も無くて、
「はい」
って、返事していたような気がします。
いつも、昔のことを思い返すたびに、「あんなことさえ起きていなかったなら、わたしの性格は違っていたのではないかしら」と感じています。
あの頃、恥ずかしい思いをさせられることで、怯えていて、毎日、不安でしかたありませんでした。
でも、これは、もしかしたら、というだけで、ぜんぜんわからないし、あんまり言いたくないんですけど、わたしって、性器を触れられることよりも、見られることで、全身が反応してしまうし、しかも、これを言うのは、ほんとうに恥ずかしいんですけど、おおぜいの人に性器を見られている……って想像すると、それだけで、すごく身体が反応してしまいます。
あんなに恥ずかしくて、つらいことだったのに。