小学六年生の「お浣腸遊び」

お医者さまゴッコでお浣腸を
ここでご紹介するケースは、いわゆる子供さんどうしの『お医者さまゴッコ』とはすこし変わったできごとで、2年ほど前に私がご相談をいただいたものです。
ご相談の第1回目には、お母様がひとりだけで見えられました。
お母様の年令は41歳、お子様は小学校六年生と高校一年生の二人のお嬢様です。
お母様との最初のお話が本筋に入るまでは、かなりの時間を要しました。
しかしこれはいつものことで、それほど得意なことではございませんでした。
まず、お話がスムーズになってきたときの様子から会話を再現してみましょう(プライバシーの関係から、実際にあったケースをかなり伏せさせていただいておりますのでご了承ください)。
私「それでお母様は、そのお友達のお母様からお電話があるまでは、お嬢様から何もお聞きになっていなかったのですね?」
母「ハイ、まったく存じませんでしたし、娘の様子も別に変わったところがありませんでしたので…」
私「そのお友達というのは、小学校1年生の女の子だそうですが、お宅のお嬢様とは以前から仲が良かったのですか?」
母「お家も近所ですし、家族同士のおつきあいもしておりました」
私「1年生の女の子…T子ちゃんが、お母様とお風呂に入られたとき、T子ちゃんのお下穿きに血液がついていたのですね?」
母「はい、ズロースのお尻の部分だそうでして…。それでT子ちゃんに強く問いただしたところ…」
私「お宅のお嬢様から、T子ちゃんがお浣腸されたことがわかったのですか」
母「ええ…(涙声になり話が中断する)」
私「せかしませんからゆっくり落ち着いてお話をいたしましょうね」
母「……」
私「子供さんの『お医者さまゴッコ』はけっしてめずらしいことではないのですよ。ただ、T子ちゃんのお尻から出血していたということは心配でしたね。たとえばお浣腸器にもいろいろ種類がありますが、お遊びで使う場合はたいてい家庭用のいちじく浣腸なのですけれど、その場合、お尻が傷つくようなことは考えられないのですが…」
母「先生…それが、私の不注意からだったのですが、娘が使ったのはガラス製のグリセリン浣腸器だったのです」
私「グリセリン浣腸器、あの、注射器型のですか?」
母「ええ。しかも、その先端に傷がついていたのです」
私「お宅の救急箱に、そういう器具が用意されていたのですね?」
母「はい、私どもの娘はふたりとも小さい頃からよくお通じが遠くなっておりまして、それで近所のお医者様と相談して、自宅でグリセリンの浣腸器を使っていたのです」
私「そうですか。でも、そのようなお宅はよくお聞きしますよ」
母「それで娘たちも大きくなって来てからはあまりお便秘もしなくなりましたので、最近はほとんど使っておりませんでした」
私「わかりました。多分、それでグリセリン浣腸器の先端に傷ができていたのに気がつかなかったのですね?」
母「多分、そうだったと思います。お薬のグリセリンも今は置いておりませんでしたから、まさか、こんなことになるとは…」
私「それで、T子ちゃんのお母様のお電話はどのような感じでしたか? たいへんお怒りになっていたとか?」
母「いいえ、けっして感情的な口調ではなかったのですが、T子ちゃんはその日、すぐお母様からお仕置きをいただいたそうなのです」
私「お仕置き、をですか…」
母「ハイ、女の子として大切なところと同じで、お尻に傷がつくようなことはけっしてしてはいけないと…」
私「T子ちゃんのお母様は、お躾けが厳しい方なのですか?」
母「ええ、お子様がおひとりですので、割とお厳しいようです…」
私「お仕置きと言うと、やはりお尻を叩かれたのかしら?」
母「そのようでございます。それで実は…」
*ここで母親は言葉を切り、再び涙を流すのでした。
明らかに感情失禁の状態のようでした。
しばらく間を置き、会話を意識的に中断した後、精神状態の平静を待って、再び会話をつづけました。
お仕置きとしてのお浣腸
私「お宅のお嬢様は6年生でしたね。お仕置きといわれて、困惑されたのでしょう?」
母「ハイ…。でもやはり先様への手前もありますし、責任はあくまで私どもの娘にありますので…」
私「それでお母様は、お仕置きをなさったわけですね?」
母「……ハイ……」
私「どんな方法でなさいましたか?」
母「先生…これは私の考え方でしたことなのですが、実は、娘にも…あの…お浣腸を、ひさしぶりにしたのです」
私「お浣腸を、お仕置きにですか?」
母「はい、小さい頃からお浣腸をとても恥ずかしがって嫌がっておりましたので、お仕置きには良い方法ではないか、と思いましたもので…。それで、上の娘にも手伝わせまして…」
私「上のお嬢様にもお手伝いをさせたのですか?」
母「いけなかったんでしょうか…やはり私が…」
私「そんなに自分を責められることはございませんよ」
母「そうでしょうか」
私「たしかにお浣腸をお仕置きとして使われたのは適当ではなかったのかもしれません。ですが問題は、そのお仕置きをいただいたお嬢様の心の問題なのですよ」
母「ハイ……」
私「それでお母様、もしよろしければもう一度、お宅のお嬢様とごいっしょにお見えになっていただけますか?」
母「娘と、でございますか」
私「もちろんお母様とお嬢様、それに私だけの秘密のお話ですから、ご心配なされることはありませんよ」
母「はい、それはもう」
私「さっきも申し上げましたように、お母様からいただいたお仕置きが、お嬢様の心の傷として残っているかどうかをお聞きしてみたいのです」
母「わかりました。それでは、ぜひ先生に聞いていただきます」
*意外にも母親は、私の提案に素直に同意されたのです。
このような場合、本人を連れてくることは拒否することのほうが多いのですが、このお母様の場合には、問題が特異なこと、ご自分がお嬢様に与えたお仕置きがお浣腸ということもあって、不安感も大きかったのだと思います。
それから二日後の午後、小学校6年生のお嬢様とお母様が見えられました。
今回は、お二人との一通りの会話の後、お母様に相談室の外に出ていただき、お嬢様と二人だけのカウンセリングに入ることにしたのです。
私「K子ちゃんは、大きくなったら何になりたいのかな?」
K子「はっきり決まっていませんが、学校の先生か看護婦さんです」
私「まあ、看護婦さんになりたいの。やさしそうなK子ちゃんですから、それもいいかもしれないわね」
K子「先生、お母様から私のこと、お聞きになられましたか?」
*私が意図的に別な話題からカウンセリングに入ったため、K子ちゃんは逆に不安げな表情でした。
私としては、むしろその機会を待っていたわけですので、ここで初めてお話を、お医者様ゴッコと関連付けることに取りかかったのでした。
私「K子ちゃん、小さい頃に、よくお母様からお浣腸をされたことがあるの?」
K子「……ええ……」
私「そのときの気持ちはどうでした。恥ずかしくて嫌だった?」
K子「……とても恥ずかしかったです」
私「最後にされたのは何年生くらいだったの?」
K子「4年生の頃だったと思います」
私「お浣腸されるときは、いつもお姉さまが見ていたの?」
K子「いつもというわけではありませんけれど、ほとんどお姉さまがいっしょでした」
私「そう、それは恥ずかしかったでしょうね。でもお浣腸をされて、お通じがたくさんつくとスッキリされたでしょ?」
K子「ええ、そのときは……」
私「お通じはトイレでされたの? それともオマルでしたか?」
K子「いつもトイレです……でも小さい頃にはオムツやオムツカバーを使わせられたように思います」
私「そう。でも小さい頃なら誰でもそういうことがあるのよ」
K子「……」
私「このあいだ、お友達のT子ちゃんにお医者様ゴッコをしてしまったのね?」
K子「……(赤くなってうつむく)」
私「いいのよ。先生、あなたとのお話はお母様にもしませんから。安心してお話をしてくださいね」
K子「ええと…お浣腸のマネだけしたかったんです」
私「真似だけ?」
K子「ええ」
私「お浣腸器の中へ、お水とかお湯を入れなかったのね?」
K子「いれてません。浣腸器の先を少しだけT子ちゃんのお尻へ入れたんです……」
私「どんな姿勢でなさったの?」
K子「T子ちゃんをハイハイのかっこうにさせて」
私「下着もぜんぶ脱がせてしまったのかしら」
K子「いいえ、パンツをすこし下げて、お尻を出させました」
私「T子ちゃんはいやがりませんでしたか? 泣いたりしなかった?」
K子「泣いたりしませんでした。かえって喜んでいるみたいでした」
私「あなたが浣腸器を差し込んだとき、T子ちゃんは痛がらなかった?」
K子「……」
私「正直に言ってね」
K子「イタイって、ひとことだけ……」
私「そう。たぶん、そのときにT子ちゃんのお尻に傷がついてしまったのね」
K子「ハイ……」
私「そのときに、T子ちゃんのお尻からは血が出なかったの?」
K子「ええ、出ませんでした」
私「よくわかりました。よく何でもお話してくれましたね。もうお医者様ゴッコのお話はしませんよ」
K子「ハイ……」
私「それよりもK子ちゃんは、お母様からお仕置きをされたのね」
K子「ええ……(再びうつむく)」
私「ひさしぶりにお浣腸をされたのね?」
K子「ええ、お仕置きだからって……」
私「おとなしくされたの?」
K子「私も、いけないことをしたと思いましたから……」
私「そう、それはえらかったわね。でもね、お仕置きにお浣腸をされるようなことは、もうこれからはしないようにお母様にお願いしてあげますからね」
K子「ハイ」
私「それと、お浣腸ということはね、お病気のとき以外はしてはいけないことなのよ。それだけはK子ちゃんも知っていてね。大きくなったら看護婦さんになりたいあなただからこそ、よけい知っててほしいの」
K子「よくわかりました」
*この後、K子ちゃんとは約15分間ほどお話をしました。
その後、お母様を含めて三人の会話を持ったのですが、このケースは女の子どうしの『お医者様ゴッコ』、それも浣腸が主体になっていただけに、印象深く、今でもときどき思い出します。
ただ、早い時期にご相談をいただき、しかも性的問題に発展することもなかったことだけが幸いでした。
K子ちゃんも、今は元気な女子中学生として毎日を送っております。